1.5公演を終えて

 

 皆さま、ご無沙汰しております。座長の菊地史恩でございます。

 どうも「コラム」やらというものには尻込みしてしまい、書き出すのに時間がかかってしまいます。悪い癖です。

  劇団として初の「.5」公演を振り返って思うのは、自他の境目ってどこなんだろう、という事であります。

 

『メランコリックフュージョン』に登場するキャラクターには、大なり小なりそれぞれに演じた俳優達のエッセンスを織り込んだつもりです。それは容姿や声質、性格、癖と人によって様々でありますし、羅列しきれるものではありませんが、先に挙げた、容姿、声質、性格、癖を自分で理解できている人がどれだけいるでしょうか?

 

 稽古中にこんなことがありました。

 主演の鋤柄拓也さん演じる「藤達也」と、劇団員の井内友理恵演じる達也の妹「優季」が会話するシーン。

 どうも「兄妹感」がなんでやっても出てこない訳です。それはきっと、二人に菊地史恩と菊地史恩の妹の関係性を求めてしまったこともあるでしょうが、そもそも鋤柄さんに予てから「兄貴感」なるものを感じていた訳で(これに関しては副座長の朝戸も同意してくれていたので尚更)、それを出してくれれば良いんです、と伝えたのですが、やっぱり上手くいかない。

 

「僕って兄貴感あるんですか?」

思わず閉口してしまいました。

 

 きっと僕が感じていた「兄貴感」は鋤柄さんが纏っているものであると同時に、内包してるものでもあるはずですが、鋤柄さんはこの時初めて自分の中のそれに気が付いた訳です。

 これが当て書きをする、そしてそれを演じる難しさなんだなと感じたのはその通りなんですが、こういうことってきっと日常生活でも稀ではないですよね。むしろ日々の生活の中での方が多い気がします。

 なんだか中学の感想文のようになりそうなのでここら辺で締めようと思いますが、見る角度次第で日常の中にも新たな気付きがあるということに気付かされた公演でありました。

 

 次の八焔座は9月になります。

 それではまた八焔座第2回本公演「Dancing Workerでお会いしましょう。

 

 

八焔座 座長 菊地史恩


第二回本公演「Dancing Worker」

2016年9/7(水)~11(日)

@中野HOPE

 

Dance × 芝居 × Rap

座長・菊地の作演と、作曲・竹山諒の魅せるエンターテインメント。

第二回本公演の情報解禁をお待ち下さい。