12/10・11のキャストオーディション、
17,18のダンサーオーディションを控え、
座長・菊地史恩の所感を記事にしました。
八焔座は、2017年3月の第二回本公演に向けて
新たな出会いを広く求めています。
バックシステムは「完全日払い」制を導入。
ぜひコチラの記事をご覧ください。
ご応募、お待ちしております。
〜オーディションに向けて〜
こんにちは。八焔座座長の菊地史恩です。菊「池」ではなく菊「地」の史恩でございます。
先日公開させていただいた八焔座第二回公演「灰色オセロ」のオーディション(←クリックで別記事へ)。
多くの方々との出会いがあればと思い、募集させていただきましたが、ここでは今回上演する「灰色オセロ」という作品についてお話しさせていただこうと思います。
もしかしたらご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、八焔座の「第二回」と銘打っている今回の公演は、本来ならば「第三回」公演となるはずでした。
今年九月上旬に「Dancing Worker」という作品が流れてしまった、元い、流してしまったからです。理由については色々とありますが(ほぼ100%僕の責任なのですが)、僕が自身の方向性を見失ってしまったことが挙げられます。
自分のやりたいことは、観せたいことは、果たしてこれで良いのだろうか。
これでお客様は喜んでくれるのだろうか。
「Dancing Worker」の延期が決まってからも、その迷いから抜け出すことが出来ずに、毎日毎日乱読していた最中、ある一冊の本に出会いました。
オリヴァー・サックスの「色のない島へ」。
この本は、脳外科医である著者、オリヴァー・サックスが、村人の大半が全色盲であると言われる太平洋のミクロネシア、ピンゲラップ島のある村を訪れることから始まる探訪記であります。
書を読むという行為には、それがどんな作品であっても「気付き」が伴うものですが、全体の九割以上が先天的全色盲である村人たちの言葉を読んだ時、日本人であり、五体満足に生まれてきた自分や身の回りにいる人たちの「当たり前」の多様性について考えました。多様性という言葉だけを見るととても綺麗に、そして肯定的に聞こえますが、僕が手の届く半径一メートルの世界だけを見ても、その多様性は意図的に隠されたり、時には排除されたりします。
HPに載っている「灰色オセロ」のあらすじにもあるように、今回の主人公は全色盲の女性であります。
小さな当たり前が大きな当たり前に塗りつぶされていく。集団心理が強く働く日本人ならではの景色ですが、塗りつぶされた元の色は本当に消えてしまうのか?
そんなことはないはずです。
大きな二つの色に挟まれた配合色のように無限に広がる「個人」という概念。
彼らの葛藤や諦め、そしてある者にとっては、救いのようなものを描くことが出来れば思い、この作品を書きました。
オーディションでは、共にこの「灰色オセロ」という作品を彩ってくれる仲間と出会えること、楽しみにしております。
八焔座・座長 菊地史恩
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